地層の種類
まずは、地盤の基礎知識を確認していきます。地盤とは、ビルや住宅などの建物を下から支える土地のこと。日本の土地は地層によって、岩盤・洪積層(こうせきそう)・沖積層(ちゅうせきそう)・人工地盤の4つに大別されます。
岩盤
自然に生成された岩石が集まってできています。火山活動によってマグマや溶岩が固まった火成岩や、海や川の砂・泥が堆積し固まってできた堆積岩などが含まれます。一般的には強固で家を建てる土地として問題ありません。
洪積層
火山灰が堆積してできたローム層や、礫層および砂層からできた地盤です。なかでも、およそ250年~2万年前に形成されたものを指します。日本では台地と呼ばれる土地が多く、強固で家を建てる土地として適しています。
沖積層
土砂の堆積によって形成された地層で、礫層・砂層・粘土層・腐食土層の4つに分けられます。洪積層よりも比較的新しく、およそ2万年前~現在の間に形成されたものです。礫層と砂層は家を建てる地盤に向いていますが、粘土層と腐食土層は軟弱なため不向きです。
人工地盤
盛土や埋め立てによって人工的に造られた地盤です。自然に形成された地盤に比べ緩く、災害のリスクが高いです。
地盤の強度の目安と災害リスク
地盤の強さや耐荷重性は「n値」という数値で示されます。n値が高いほど地盤が強固であることを示すため、家づくりの際は目安にしてください。
n値が10以下の土質は、地盤改良が必要となる可能性があります。n値が10~30であれば、基本的に基礎地盤として利用可能。20以上あると、より良いとされます。n値が30~50の値であれば、2~3階以上の建物の基礎地盤に。50以上になると非常に強固な地盤になり、ビルなどの大規模な建物の基礎地盤となります。
地盤が弱いと、地盤沈下や液状化、地すべりなどのリスクが高まります。地域によっては、地震による津波の影響を受ける場合も。家づくりに向いていると言われている地盤でも、ケースによっては災害の可能性をはらんでいることもあります。家を建てる前に、地盤の調査は念入りに行いましょう。
地盤調査の方法は?
地盤の調べ方には多様な方法がありますが、戸建住宅の場合は「SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)」というものが一般的です。先端がスクリュー状になった棒を、回転させながら地面に貫入して行います。
地盤の改良方法の種類
地盤調査の結果、地盤改良が必要となった場合は次のような3つの方法が考えられます。
表層改良工法
地盤の軟弱な層が浅いケースで効果的な工法です。地盤のうち2m以内の比較的浅い部分を掘削して、セメント系の固化材を混ぜて元の土へ戻します。
柱状改良工法
戸建住宅やアパートなどでよく使われる工法です。セメント系の固化材を土と混ぜ、柱状の改良体を地中に作ります。表層改良よりも深く8mほどの層まで改良し、強度を確保します。
鋼管杭工法
柱状改良と同様の考え方ですが、鋼管を使います。深くて30mほどの層まで改良できる工法です。
注文住宅を建てられる安全な地盤を見抜くには?
家づくりにおいて、地盤改良の必要がない方がコストを抑えられます。地盤を選ぶには自分で国や民間企業の公開している地盤データを調べることもできますが、時間と労力がかかるうえ、正確な情報にたどり着けるか分かりません。
そこで頼りになるのが、住宅会社。地盤の強度だけでなく、その土地に希望の大きさの家が建てられるか、水道・下水・ガスなどの付帯工事の必要の有無まで知ることができます。
地域の過去の災害情報
島根県松江市・安来市および鳥取県米子市・境港市における過去の災害情報の一部をまとめました。
【島根県松江市・安来市】過去の災害情報
島根県の過去の災害情報をさかのぼると、圧倒的に水害が多いことが分かります。近年では毎年のように大雨や豪雨、台風による災害が起こっている状況です。
島根県東部から鳥取県西部に流れる一級河川の斐伊川(ひいかわ)。明治時代から洪水被害の記録があり、2006年には松江市を含む地域で死者3名、浸水家屋1,460戸の被害が出ています。
また、松江市の記録史上最大の震度5強を記録したのが2000年の「鳥取県西部地震」です。建物の直接的被害は多くありませんでしたが、埋め立て地などで地盤の液状化が見られました。
安来市も、風水害の多い地域です。大きなものでは、1972年の豪雨による中小規模の河川の氾濫、山崩れによる被害が記録に残っています。2000年の鳥取県西部地震の被害は大きく、住宅の全壊が32世帯、半壊が570世帯、一部破壊が3,156世帯でした。山崩れや急傾斜地の崩壊、沿岸地域の液状化などの被害も多発しました。
参考元:島根県「過去の主な災害」参考元:松江市「既発の自然災害」参考元:国土交通省水管理・国土保全局「斐伊川の主な災害」参考元:安来市防災会議「安来市地域防災計画」>>松江市の地盤の強さや災害リスクは?ハザードマップ情報など詳しくはこちら
【鳥取県米子市・境港市】過去の災害情報
鳥取県の過去の災害情報をさかのぼると、豪雨や台風、豪雪による災害が見られます。
米子市は江戸時代から河川の洪水の被害が多く、整備によって氾濫は少なくなりました。ただし大雨や地震による土砂災害の危険性は高い地域です。
地震による影響は近年よく見られ、県内で発生した地震では2000年の鳥取県西部地震で震度5強を観測。液状化・土砂の吹き出し・地割れなどが発生しました。2016年の鳥取県中部地震でも震度4を観測しています。
2010年の豪雪は米子市観測史上最大の89cmの積雪。通行止めや停電などで混乱を招きました。
境港市も、豪雪や豪雨、台風による被害を受けています。
2010年の年末から年明けにかけての豪雪では、市内で72cmの積雪を記録。停電や倒木、住宅などにも被害が及びました。住宅の半壊は1棟でしたが、多数の棟で一部損壊が見られました。
2006年7月の集中豪雨では、日降水量が観測史上2位の289mmで床下浸水15棟の被害が報告されています。
参考元:米子市立図書館「ふるさと米子探検隊 第22号 米子と防災の巻」参考元:境港市防災会議「境港市地域防災計画」>>米子市のハザードマップで地盤の強さをチェック!土地選びのポイントとは>>鳥取市の水害・液状化・地震のリスクは?注文住宅の耐震・水害対策も併せて解説
自然災害に耐えられる家づくりならR+house松江・米子へ
風水害の多い島根県・鳥取県では、ここ十数年で地震の影響も見過ごせなくなっています。そのためには、地盤はもちろん耐震や免震なども考慮して家づくりを進めることが大切です。R+house松江・米子では地盤の情報を含めて土地選びからサポートいたします。建築家と作るR+house松江・米子なら、土地を最大限に生かして納得のデザインをご提案。耐震性はトップレベル、豪雪地域でも快適な高断熱・高気密もお約束します。注文住宅をご検討中の方は、ぜひR+house松江・米子へご相談ください。
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