第三者評価制度にはどんなものがある?
まずは、制度の種類とそれぞれの概要を解説していきましょう。
長期優良住宅
長期優良住宅とは、「長期間良好な状態で住み続けられる措置が講じられた高性能な住宅」という意味です。長期優良住宅の主な認定基準は、以下の5つが挙げられます。
●長く使用するための設備および構造を有している
●維持保全の期間、方法を定めている
●居住環境等への配慮をおこなっている
●一定面積以上の住戸面積を有している
●自然災害への配慮をおこなっている
具体的な基準として、劣化対策等級や耐震等級、断熱等性能等級などそれぞれの等級を満たしていることや、一戸建て住宅の住戸面積22.7坪(75平方メートル)以上かつ1つの階の床面積が12.1坪(40平方メートル)以上であることなどが定められています。
長期優良住宅の認定を受けるにはこれら5つの基準をクリアし、必要書類とともに所管行政庁に申請しなければいけません。
参考元:国土交通省|長期優良住宅認定制度の概要について>>島根県米子市で省エネで快適な生活をするために必要な注文住宅の性能とは?
低炭素住宅
低炭素住宅とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を抑えるための対策が講じられた住宅のことで、環境にやさしい住宅です。低炭素住宅は、以下の3つを満たすことで認定を受けられます。
●省エネ基準よりもさらに高い省エネ性能を有すること。加えて低炭素化に役立つ措置を講じていること
●都市の低炭素化を促す基本的な方針に準ずるものであること
●適切な資金計画がされていること
省エネ基準を超える省エネ性能というのは、省エネ基準にある一次エネルギー消費量からさらに20%以上抑えることを指します。ほかにも、再生可能エネルギーを利用した設備の導入や、低炭素化に役立つ措置がされているかどうかといった条件が挙げられます。
参考元:国土交通省|低炭素建築物認定制度パンフレット
住宅性能表示制度
住宅性能表示制度とは、耐震性や防火性、防犯性などの性能に対し、評価・表示するための基準や手続きを定めたもの。統一された基準を設けることによって、専門知識のない方でも、住宅の各性能について理解しやすくなります。基準は10分野35項目と細かくわかれており、そのうちの4分野10項目が必須項目です。
必須4分野
●構造の安定 … 地震発生時の倒壊・損傷のしにくさ
●劣化の軽減 … 長く安全に住むための耐久性
●温熱環境・エネルギー消費量 … 冷暖房の効率をよくする省エネ性
●維持管理・更新への配慮 … メンテナンスや掃除、故障時の修理のしやすさ
ほか6分野
●火災時の安全 … 火災発生時における住人の避難のしやすさ、延焼のしにくさ
●空気環境 … シックハウス対策がされているか
●音環境 … 音の伝わりにくさ
●防犯 … ドアや窓から空き巣が入らないよう防犯対策がされているか
●光・視環境 … 室内への採光や全方角の窓の大きさ
●高齢者等への配慮 … 高齢者にとって安全に対する配慮がされているか
参考元:国土交通省|新築住宅の住宅性能表示制度ガイド
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)
BELS(ベルス)とは、第三者評価機関が建物の省エネ性能を評価・認定する制度のことです。評価を受けたら「BELS評価書」が発行され、希望者はBELSプレートまたはBELSシールの取得も可能です。
BELSプレートを希望した場合は、以下の内容が表示されており、一目でその住宅の省エネ性能を判断できます。
●「BEI値(省エネの性能指標)」に応じた5段階の星マーク
●設計一次エネルギー消費量のうち、基準一次エネルギー消費量の削減率(どちらもその他一次エネルギー消費量を除く)
●一次エネルギー消費量基準の適合可否
●外皮基準値(UA値)や適合可否
なお、建物に対する省エネ性能表示制度の告示が2024年4月から改正および施工されることに伴い、BELSの制度内容も新しくなる予定です。詳しくは、専用サイトにてご確認ください。
参考元:国土交通省|BELSによる住宅の省エネ性能表示について
第三者評価制度の認定を受けることのメリットは?
第三者評価制度の認定を受けることで、以下のようなメリットが得られます。
●省エネ性や耐久性、耐震性など目に見えない部分の性能が数値化され一目でわかるようになり安心感につながる
●契約内容に沿った設計・性能どおりに建築がされているかどうか、専門家による客観的な判断が受けられる
●第三者評価制度の種類によって、税金の優遇や住宅ローン金利の引き下げ、保険料の割引など、金銭的なメリットが得られる
●長期にわたり安全で快適な暮らしが手に入る
●省エネ性の高い住宅の場合、エアコンの使用量が減り光熱費の抑制につながる
島根県松江市周辺の気候の特徴とZEH・HEAT20基準のUA値
島根県の県庁所在地である松江市。湖や日本海、山間部と豊かな自然に囲まれながら、小学校は32校あり、中学校高校、島根大学と教育現場も充実。医療機関は、松江市立病院、松江赤十字病院と総合病院も揃っています。さらにJR松江駅から徒歩7分の距離にはイオン松江ショッピングセンターと商業施設もあり、都市機能が揃った暮らしやすい街です。
>>子育てにもぴったり!公園に行きやすい松江市のおすすめ宅地4選松江市の気候は、夏に雨が多い北九州型と冬に雨が多い北陸型の中間型といわれています。2023年における気象庁のデータでは、夏の最も暑い時期で最高気温37.0℃、冬は最低気温-3.8℃まで下がりますが、平均気温は16.5℃で比較的温暖な地域といえるでしょう。
本記事で解説した第三者評価制度における基準内にもある断熱性能に関して、クリアすべきUA値は、設定されている地域区分によって異なります。中海を囲うように位置している、島根県松江市、安来市、鳥取県米子市、境港市の地域区分は「6」です。
以下には、ZEHやHEAT20の基準をクリアするのに必要なUA値をまとめたので、家を建てる際の参考にしてください。
【島根県松江市・安来市・鳥取県米子市・境港市の地域区分とUA値(W/㎡・K)】